叶うのであればもう一度...

どうしよう…

病院は嫌い。

待合室のあのなんとも言えん匂いとか、先生が握ってるあの鉄のなんかが、お互い当たってなるあの音とか。


それにくらべて陵ちゃんと一緒におったら、楽しいし、落ち着く。


人間は欲望には勝てない。

「お母さんごめん。やっぱ陵ちゃんと遊びたい。」


ちょっとの沈黙。

『そーかそーか。わかった、また今度にしよか。お母さんも急に言ってごめんなぁ』

謝られると、なんとなく罪悪感が湧く。

「うん、ごめん。じゃあ晩ご飯までには帰るから」

『はいはい、じゃあね』


やっと陵ちゃんとこいける

「ごめんなぁ、お母さんからやったわー」

私が笑って言うと

「帰ってこいって?」

って心配そうな顔で聞いてくる。


「あー違う違う。全然関係ない話やったわ」

私はなんでここで嘘をついたんだろう?

普通に病院行こうって言われた、って言えばいいのに。


まぁいいや。


「そーなんや。ほら、切符買っといたで」

そういって切符を差し出す陵ちゃん


やば、優しすぎ。


「うわー、ありがとう。さすが陵ちゃんやな!!」

「普通やってー」


って言いながら恥ずかしそうに笑う陵ちゃん。



最近ほんとによく思う。


これが幸せの形なんちゃうかな?って


「今日は混んどるなー」


陵ちゃんはそんなことを言いながら、私の手をギュっと握る。

「ほんまやなぁ」


私もそう言って握り返したら、陵ちゃんがこっちを向いて笑った。