溺愛男子


 その疑問を溶かすかのように皐月が強めに言った。



「琉、なんか勘違いしてねぇ?」

「え?」



 ベッドに座った皐月。




 切ない顔なのに、どこか自信ありげ。





「杏里の好きな奴。誰か知ってる?」

「誰って…皐月だろ」

「俺じゃねぇよ。琉、お前」




 …俺……?





「そんなわけねぇじゃん。俺ら別れてんだぜ?」

「別れを切り出したのは琉だろ」

「向こうも同じ考えだった」




 いいよ、って言ったのは杏だ。




 それなのに。





 杏の気持ちが俺にあるわけ…ねぇじゃん。