溺愛男子



 俺が完全にわりぃの!?



 何もしてねぇのに…。




 早くこいつを起こして誤解を解く。




「杏里…! 杏、起きろ!!」

「…ん、はぃぃ…」




 むくっと起き上がった杏里は辺りを見渡して状況を把握したらしい。




「おはようございます!」

「おはよう、流に何もされてない!?」



 母さんが勢いよく杏里に近づいて肩をつかみながら聞いた。




「何も…」

「された!?」

「されてないですよ?」

「…本当?」

「はい」




 杏里がそう言うと母さんは安心したのかため息を吐くと親父の傍に戻っていった。





 朝から騒がしい。





 着替えてからキッチンに行くと朝飯は既に作ってあった。




「杏里ちゃんって言うの…? 名前まだ聞いてなかったわね」

「はい、黒田杏里です」

「杏里ちゃんもどーぞ」



 母さんが杏里を椅子に座らせてた。