溺愛男子


「……琉?」

「マジで怖かった…」



 切なそうな顔をした琉は私を抱き寄せる。





「…杏がいなくなったら俺どうするりゃいいんだよ…」

「……」

「杏…俺さ、杏のこと好………待って、お前…震え過ぎ」



 何かを言いかけた琉は一度私から体を離す。




 …確かに震えてる。






 理由は分かってる。





 頭では理解してるのに…どこか琉を拒否してる。




 怖いんだ。




 何かが怖い。





「入りますよー」



 丁度、担当の先生が病室に入ってきて診察をしてくれた。





 この先生にでさえ震えてしまってるんだから。