溺愛男子


「大丈夫だよ。今から杏里を幸せにするのは俺なんだ、全部任せてよ」



 私の髪を梳くように持ち上げると軽くキスを落とす。




 震えて足も上がらない。





 工藤さんが窓の下を確認するように覗く。





 ――――ダンッ…ダンッ…ダンッ!!!




 扉が大きな音を立ててミシミシと揺れる。





「杏!!! 待ってろよ!!」



 苦しそうな琉の声が聞こえる。



 それに驚いたのか焦りだした工藤さんは私の腕をさっきより強く引っ張る。





 勢いが余って私は窓の外に放り出されるように工藤さんの手が腕から離れた。





「きゃっ」

「あ、杏里!!!」




 窓の縁で足を強く打ち、そのまま落下―――――。




「杏ッ!!!」




 私が窓を見上げると琉が真っ青な顔で私に腕を伸ばしてるのが見えた。