溺愛男子


 制服に着替えさせて、杏里と一緒に教室を出た。




 同じクラスのあの集団を睨むことしかできなかった俺。





 あと少しでクラス替えだ。





 頑張れ、杏里。





「杏里んち行ってもいいか? 俺んちは従妹がいるから」

「…ん」



 杏里が笑ってない。




 それだけで宇宙がひっくりかえったみたいだ。






 杏里のアパートに入って、鍵を開けた。





「あれ、物増えたな」

「うん…私もここで暮らしてるんだから」

「そうだな…」




 何一つ笑わない杏里とは会話が楽しいとは言えない。




 …笑えよ、杏里。