誠司とは1年前に別れてから一切会っていなかった。

でも、大雅のお世話が2ヶ月目に入った矢先、偶然再会したのだ。


大輝からツケを許されてる飲み屋で・・・。


その日は何事もなく終わったけど、知らない番号に出てしまったのが運の尽き。

その主が誠司で、やり直そうと10日間、復縁を望む電話が続いている。


「大雅、うるさくてごめんね?」


サイレントに変えるのさえ何か嫌になって、携帯の電源を切った。


「いいよ。千佳ちゃんっ!何か手伝う事ある?」


ピョンっと跳ねるように椅子から立ち上がった大雅。

今日は肉じゃがメインの和食だ。


「じゃあ、豆腐と油揚げとネギを切ってもらえるかな?ネギは最後ね」

「分かった!味噌汁だねっ!」


ニコッと笑う大雅に、気を遣わせている事に気付きながらも笑顔で返した。