大輝の苦し紛れの逆ギレに、ケラケラ笑っていたら大雅がドアを、開け閉めした音だった。

ビッ、ビックリした~。


「千佳ちゃん、俺の部屋見て見て~」

「あ、はいはい・・・」


ニコニコ微笑みながら何事もなかったように、手招きをする大雅に促されて、部屋に入る。

大雅の部屋はまだ整頓してる途中で、作りかけの棚があった。


「ねぇ、大雅。この棚、自分で作ってるの?」

「そうだよ!俺、得意なんだ~」


・・・・・俺、か。

車中でも思ってたけど、大雅は、「僕」って言う方が似合う顔なのに・・・。

大輝の事も、「兄貴」って呼んでて、少し残念というか、寂しいというか・・・。

何だか複雑な心境だ。