やった!今日は早く学校へ行ける!
ルンルン気分の私。愛沢澄花。
「学校でレポート考えないと」
宿題で出されていたレポート。
私としたことが学校に忘れてしまったんだ・・・
だから早く学校へ行ってレポートをやらないと!
「行ってきます!」
私は自転車に乗ってペダルを漕ぎ出した。
ん?後ろに誰かいる。
自転車の音が聞こえる。
誰だろうと思って後ろを振り返った。
「げっ!」
やばっ!声出しちゃった・・・。
私はすぐさま前に向きなおして大急ぎで自転車をこいだ。
だって、後ろにいたのは・・・
私が今、一番嫌いな「あいつ」だったから。
学校に着くと教室に行った。
そして次に入ってきたのは・・・あいつだ。
って、ええええええ!
教室2人きりじゃん! やばいやばい!
1人パニック状態の私。
なるべく顔や態度に出ないようにレポートをさっさと広げ書くことにした。
「あいつ」も無言で何か書いている。
整った顔。高い身長。スポーツ万能。おまけに成績よし。
何もかもパーフェクト。 安藤進。
いわゆる「イケメン」。
確かにダメなとこないよな~
そんなこと考えていたとき、続々と同級生が登校してきた。
安藤は書いていたものをやめ、友達と話していた。
しかも話しているのは私の席の前。
まじであり得ない・・・
私は気にしないようにしてレポートを書いていた。
すると、
「反省文でもかいてんの?」
え?反省文??
「違う違う。これは・・・」
上を見ると、安藤が笑いながらこっちをのぞいていた。
「な、安藤・・・」
「何か悪いことでもしたん?」
少し笑い気味でいじわるに彼は言った。
「は?そんなわけないでしょ。話かけんといて」
私は机を思いっきりたたいて睨んだ。
最悪。 むかつく。 私はありえないほどの怒りを込めてレポートを
床にたたきつけた。