ゆっくりと、今感じたことを話して、森を眺める。 うるさい蝉の声に掻き消されそうな、愛ちゃんの細い声を良く聞く。 ゆったりした時間だった。 他愛もないことを話して、ぼーっと過ごす。 これはこれで、良いかもしれない。 僕には無い、“体験”かもしれない。 家族以外の人と接する事なんて、僕にはそうそう出来ない。 愛ちゃんはゆっくりと人の心に入っていくのが上手だった。