□ □ □ 僕は、空を見上げた。 限りなく真っ直ぐ伸びている、背の高い木々達を、しかめ面で睨みながら、歩を早める。 夏。 丁度世間は“夏休み”と言う期間にあたる。 本来ならば、プールや、海、祭りとかと言った行事がたくさんあることだろう。 僕は、違う。 元々体が弱い僕は、長時間日光に当たることもできず、両親の勧めで、この期間のみ祖母の家に居候することになったのだ。 そう、両親が言うには、体が弱い僕の“体力作り”。 さしずめ僕を祖母に預けて、両親は楽しく旅行、と言ったところだろうか。