――パタン 小さな音をたてて閉まったドア。 初めて入った一ノ宮君の部屋。 「未来……」 ――ビクッ そっと後ろから肩に手を置かれた。 ただそれだけなのに、過剰に体が跳ねた。 み、未来! さっきまでの覚悟はどこに行ったんだ!? 自問自答を繰り返しても、やはり緊張は取れない。 「み……」 「うわっ!難しそうな本がいっぱい!!」 一ノ宮君の言葉を遮って、何とか言葉を発した。