放課後。

舞の席に向かうと舞は荷物を片付け終わっていた。

「じゃあ…教室、誰か使うだろうから、渡り廊下にする?」

俺が聞くと舞は少し間をおいて頷いた。

楽譜を持っていないので舞のを見せてもらうことになる。

曲は前の学校で他の組がやっていたから少し知っているが、メロディーくらいだ。

「舞。……楽譜見せて?」

舞に言うと黄色い楽譜を渡してくれた。

「私は…覚えたから。それ、あげる」

と言われた。

楽譜を開くと中には所々に薄いけど綺麗な字でチェックが入っていた。

メモ書きのようだから自分用なのだろう。

何となく頭にあるメロディと一致した。

「歌ってみるから。変なとこあったら言ってもらえるかな?」

と言うと舞はコクりと頷きその場に座った。