雄一に突っ込みながら、俺は笑えてきて仕方なかった。

文化祭の準備中に、俺は気付いた事があった。
成績トップの雄一の理解出来ないボケは、実はその半分は雄一の気遣いと優しさで構成されているのだ。
まるで、どっかの頭痛薬みたいだけど。
実際、今のボケだって、俺に打ち上げを楽しんで欲しくての発言だし。


「じゃあ、寂しい寂しい浩太君の為に、浩太君が大好きなココちゃんでも召喚しますか」

「ちょまっ……! いやいや勘弁してって」


俺の制止は雄一には届かない。
ココと一緒にいれるのは嬉しいけど、照れくさいってか恥ずかしいってか。


「ココちゃ~ん、こっち来れる~?」


……何だこの、キャバ嬢とか呼んでそうな台詞。
いや俺は未成年だし、詳しい事なんて知らないけど。
ってかキャバクラ興味無いし。ココと一緒に居れたら良いし。

ココはタイミングよく会話に区切りがついたのか、俺達の所にやってきた。


「浩太先輩、お疲れ様です! 雄ちゃんもお疲れ様」

「お疲れ様です」


…いかん、何故か敬語になってる。
ってか、緊張してココを見れない!
けど、頑張ってココを見る。





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