「他の奴らの?」
「そう、照明について一緒に話し合っていた、他のメンバーの顔。ってか目」
「見てない」
「ココのも?」
「見てない」
「…だろうと思った」
雄一の言ってた”話”って、その事か。
でも、「目を見て話せ」って言われても……。
「あんま必要性を感じないんだわ」
「…相手の目を見て話す事の?」
「うん」
雄一は溜め息を吐く。
「そう言うと思ってたけどね」
「だってさ、俺は台本確認しながらだから忙しい訳じゃん? 忙しい時に相手と話してて作業遅れたら意味無いし。もし俺が皆を見たとしても、皆だって台本確認しながらだから誰も見てないよ」
「……ひょっとして浩太、話し合いの最中に全く顔上げてない?」
「全く上げてないよ。ずっと台本確認してた」
雄一が頭を抱えた。
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