「浩太、ちょっと」


部活が終わる直前、帰る準備をしていたら、雄一に声をかけられた。
俺達の部活は、全員が帰る準備をしてから、解散の挨拶をする。その代わり、居残りは厳禁だ。


「…何?」

「オマエさ、この後は平気?」


……嫌ぁーな予感がした。


「明日、日本史の小テストがあるじゃん。家で勉強したいんだけど」

「別に良いじゃん、付き合えよ。ラーメン奢ってやるから」

「ラーメンかぁ……」


ラーメン、嫌いじゃない。むしろ好き。
しかし……。


「日本史の小テストがなぁ…」

「……分かったよっ! 日本史も教えてやるから。」

「じゃあ行くー」


今晩の俺の夕飯は、雄一が奢ってくれる事になった。





.