雪は雪で、「怖くないよー」だとか「優しくしてもらってるよー」とか答えてるようだから笑ってしまう。


クラス内での俺のイメージが雪の影響で改善していく一方で、俺はまだ、喧嘩を売ってきた連中を容赦無く殴り続けていた。

当然のように、クラス外や他校での俺の評判は、相変わらず"暴力野郎"で通っている。
一部の先公が俺を見直してるようだが、残念ながら俺に喧嘩を売る奴は先公の戯言に耳を貸すような奴ではない。


俺は雪と行動する事を楽しく感じるようになってきていたが、良い事だけじゃなかった。
休み時間とかに俺と雪が廊下で喋っていると、俺に喧嘩を売ってきた奴らの巻き添えを喰らい、雪まで怪我をしてしまっていた。



そして、雪は色白で病弱な事も手伝って、驚く程に簡単に怪我して倒れ、病欠し、傷痕が残る体質のようだった。
これじゃあ、いくら俺が直接手を下した訳じゃなくても、さすがに罪悪感を感じてしまう。





ある日。
いつものように、俺が喧嘩を売られて、応戦してたら雪が巻き込まれて、倒れた。
クラスの誰かが担任を呼んだらしく、雪はすぐに保健室に運ばれていった。
雪は意識を失ったようだった。
集まった生徒や先公に恐れをなして逃げようとする連中を、俺は一発ずつ殴った。

雪の意識が戻らなかったら、どうしてくれるんだよ。





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