「アリス、レンを信じてはいけない。アイツは違う。アイツは....」


「僕がどうなさいましたか?女王様?」


開いた扉の向こう。

そこにいたのは可愛い笑顔を浮かべたレン。


猫かぶってる感満載の笑顔。


「.....っ、レン。」


レンを見るなり笑顔が消えていくアンナさん。


「女王様、白き者がまもなくこちらに攻め込んで来ます。兵はすでに集めているので準備を初めてください。」


「今行くわ。」


流暢に喋るレンに大きくうなずき歩き出すアンナさん。


一瞬、アンナさんの様子がおかしかったのは気のせいだろうか?


「じゃあね、アリス。」


唇の端をくいっとあげて笑うとアンナさんはこの部屋を出た。


「アリス。」


私に話かけてくるのはレン。


「アリスは全てを知る覚悟はある?」


レンの苦しそうなでも、どこか楽しそうな表情に呑まれる。


そしてレンもこの部屋を出た。