届けないといけないな、と 思いながらも、俺はその 時計をそっと引き出しの中にしまっていた。 ────────────会える、だろうか。 忘れ物があるから、と ”これ”が口実になって また彼女に会えるのなら。 ・・・・俺は、どうしようもないな。 自分に呆れながらも、 俺は彼女に電話をしていた。