裏門までの距離はそんなに 長くはないけど、全速力で 走るには少し疲れる。 息を切らしながら走り続けていると 車に背中を預けて空を眺めている 悠也さんを見つけて、 「 悠也さんっ!! 」 呼べば、すぐに気付いて 悠也さんもこっちに向かって ゆっくり歩いてきた。 まだ少し肌寒い季節。 春というにはまだ早いようで、 だけど咲いた桜が”春”を 告げていた。