「 ・・・・あ、の・・・ 」




怖がらせているだろうか。
口を開けてしまえばきっと
くだらないことしか言えない。




もうこの時点で十分
大人げないっていうのに、
それ以上に格好悪いところを
彼女に見せたくはない。




「 怖がらないで 」




手を伸ばせば触れられる距離に
彼女が居るだけで、幸せだ。




これはやっぱり、愛なんだろうか。




そんなことを思いながら
彼女の頬に触れた。




「 怒ってないよ。
  何話してたのか気になって 」




気になったのは本当だ。
あんな距離で話すことなんて
あるんだろうか。




キス、しているようにしか見えなかった。