黙ってたって、もうすぐ分かる事なんだから、話してしまえばいいんだろうけど……。 ここまできてしまうと、話すタイミングが難しい。 ……って、それは言い訳だよなぁ。 最初から、ちゃんと話していれば、こんな状況にはならなかったんだ。 ん? 俺がいろいろ考えていると、急に美雪が立ち上がった。 俺はしゃがんだままで美雪を見ていたけど、つられるようにすぐに立ち上がろうとした。 その時。 立ち上がっている途中、美雪からいつもと違う香りがして、思わず動きが止まった。 この香りは、章弘の……。