そして優しい~番外編~


「なんだよ」

美雪が泣いたり笑ったりしている理由が分からず、ちょっとイラッとしながらそう訊いた。



すると、美雪が予想外の事を言った。



「章弘先輩……私達の事、気が付いていた」



気が付いていた?

……。

気が付いていた???



「はぁ? 嘘、だろ?」



さっきの話の流れだと、俺が原因のようだけど……自慢じゃねーが、俺、バレるような事はしてないと思うぞ?



だけど。

美雪は首を左右に振った。