ギュッ ああっ! なんなんだよ、さっきから! 章弘が美雪の耳元に顔を近付けて、何かを囁いている姿が目に入り……また心臓が締め付けられた。 『美雪に近付くな!』 そう怒鳴ってしまいたい。 分かっている。 嫉妬、だ。 いつもの『ヤキモチ』なんて、可愛らしいレベルではない。 ここが学校でなかったら、きっと胸ぐら掴んで殴っているかもしれない。 それでもなんとか我慢できるのは、章弘も俺の生徒だからだ。