俺はゆっくりと2人に向かって歩き出した。



分かっている。

美雪が浮気をしている訳じゃないって……。



きっと『話がある』と言われても、告白だと思わずにいたんだろう。

だけど。



ハッキリと美雪が章弘に抱き締められていたのを見たわけではないが、さっきの状況を思い出すだけで……美雪が他の男の腕の中に居たかと思うだけで、俺は冷静でいられなさそうだった。



それでも、気持ちを落ち着かせようと、一歩ずつゆっくりと踏み締めながら近寄って行くと。