『美雪!』

思わずそう言いそうになって、ハッとした。



ここは学校だ。



「東野!」



俺がそう呼ぶと、章弘の腕が動いた。

そして、章弘が振り返ってこっちを向いたのと同時に、その陰に美雪の姿が見えた。



ズキン!

胸に痛みが走る。



ギュッ

また心臓が鷲掴みされる。