そして優しい~番外編~


ドキンドキンドキン

ど、ど、どうしよう。



何か挨拶しなくちゃいけないのに、緊張しすぎて、声が出ない。

私が何も言えないでいるうちに、先輩は私の目の前に辿り着いていた。



もう、イヤーーー!



まるで金魚のように、口だけパクパクしている私を見て、先輩はクスッと笑った。

そして。



えっ?



顔の前に、缶コーヒーを差し出されていた。