そして優しい~番外編~


私はちょっと涙が出そうになって、でも今泣くわけにはいかなくて、唇を噛んで空を見上げた。

一応晴れてはいるものの、いろいろな形の雲が流れている。

その雲を見ていたら、少しずつ気持ちが落ち着いてきた。



きっと今日はバレンタインデーだから、私と同じような気持ちの女の子達がたくさん居る筈。

告白してフラれたって、いつかは笑って思い出せる日が、きっと来るよね?





「あれっ? 早く来たつもりだったんだけど……待たせちゃったかな?」



ドキン!

寒いせいか誰も居ない公園の入口から、そんな声が聞こえた。

私が声のした方を見ると、先輩が小走りで近付いてきた。