「美雪」
俺は今思った事を話そうと呼び掛けた。
だけど。
「私、薄情者だよね? 私のせいで僚二が居ないのに、自分だけ……」
美雪からは、また自分を責める言葉が出てきた。
「それは違うって……おまえ、そう思って泣いてたのか?」
俺がそう言うと、美雪は首を左右に振った。
「なんか、それだけじゃなくて……今までのいろいろな事が入り混じってる感じで、よく分かんない」
そう答える美雪の表情は、確かにちょっと自嘲気味ではあるものの、言葉通り、自分でも戸惑っているようだった。
そして、いろいろ考えているのか、ちょっとの沈黙の後。
「でも、一番の原因はおばさんが……」
そこまで言って、美雪は再び感極まったように、ポロポロと涙を零し始めた。

