温かいココアでも入れてあげよう。
いつもはコーヒーが多いけど、なんとなく今の美雪には甘いココアの方が、気持ちが落ち着くような気がして、俺は台所に行って、2人分のココアを作った。
いつも俺と美雪が座る台所のテーブルの定位置に、それぞれのコーヒーカップを置いて美雪を見ると、美雪は俺の動きをジーっと見ていた。
こっちに来る気配がないので、俺はこっちに来るようにテーブルをトントンと叩いた。
すると、美雪はすぐに反応して、こっちに来てイスに座った。
そして、ココアの入ったコーヒーカップを両手で包み込むように持ち、中をジーっと見てから、『コクリ』と1口飲んだ。

