学校では気が張っていたのかなぁ……。 何があったのか心配ではあったけど、これだけ泣きたかったのに、ずっと我慢していたのかと思うと、『もう大丈夫』と言って抱き締めたくなる。 俺はまず、部屋に入って電気を点けた。 すると俺に背を向けた形で座っていた美雪が、ビクッと体を揺らした。 「おまえなぁ、暗い部屋で考え事してると、暗い発想しか出来ねぇーぞ」 思わず苦笑いで、俺はそう言った。