もう辺りは暗くなっていて、電気を点けないと部屋の中に居られない筈なのに、部屋の電気が点いていない。 近くのコンビニにでも、買い物に行ったのか? ……だったら、自転車で行きそうだけどなぁ……。 俺は疑問に思いながら、家の鍵を鍵穴に差し込み開錠すると、玄関のドアを開けた。 ……ったく。 ドアを開けて、すぐに分かった……美雪が中に居た事が。 声を押し殺すような泣き声と、時折鼻をすする音だけが、部屋の中に広がっていた。