「ちょっと今日はハイペースで走って来て、汗だくなんですよ……じゃぁ、顔洗ってから体育館に行きますね」 美雪は俺の気配を察したのか、一歩二歩と俺からゆっくり離れながらそう言った。 しまいにはタオルで顔を完全に俺から隠して、小走りでこの場を離れようとする。 逃がすかよ! 俺は美雪の右手首を掴んで、グイッと引っ張った。 すると、タオルが美雪の手から放れて、地面に落ちた。