「あのね……涼はいつも、太陽の匂いがするの」 『太陽の匂い』? 「えっ?」 思わず訊き返してしまう。 「いっぱいお日様の光を浴びた洗濯物の匂い……なんだか、こっちまでお日様に照らされてるみたいで、心の中がポカポカするんだよ?」 抽象的でよく分からないけど……目の前の美雪がニコニコと嬉しそうに話すから、美雪にとってちゃんと俺の香りが分かっているならいいかなぁ、なんて納得してしまう。