反射的に美雪の顔を見た。 すると、美雪は驚いた表情で、何回かパチパチと瞬きをした。 ああ、美雪は気が付いてないんだ。 俺は心を落ち着けるよう努力しながら、一度きちんと美雪の正面に立った。 落ち着け、自分……。 そう言い聞かすが、さっきの香りとここに来てすぐの2人の姿がチラついてしまう。 ……やっぱ、ダメだっ! 身長差で遠い美雪の顔を、かがみ込むようにして間近で見た。