「それ、どーしたの?」 ダボダボのカーディガンをみた杏子は、あたしのところへ寄ってきた。 「リンくんが貸してくれたの…!」 あたしがそう言うと、杏子は力のない声でそっか、と言った。 運命の歯車がくるいはじめた、17歳の春。