「やっぱバカだよなぁ…私」 頬杖をついて、外を眺める。 「そう?羨ましいけどな、そういう気持ち持てるって」 「それが報われなくても?」 「…ん、まぁ、そうだけど」 紗耶香は申し訳なさそうな表情を浮かべた。 ……そう。私の恋心は報われない。 日向くんには…彼女がいるから。 その彼女は、私の友達でもある。 小学生の頃からの大好きな友達だ。 でも…その子は今、近くにはいない。 私たちが中学3年になった時に、遠くに引っ越してしまったから。 つまり、日向くんとその子は現在、遠距離恋愛中。