そして、その日の放課後、近くのショッピングモールのアクセサリーショップに立ち寄った。

中はアンティーク調の店で静かな洋楽が流れている。

「う~ん、どれがいいかな??」

私、バイト辞めちゃったから今月キツイんだよなぁ~

しかも、小さなプチネックレスからゴツいネックレスまで種類は幅広い。


「何かお探しですか??」

「あっ、彼氏の誕生日プレゼントを////」

「なら、コレがおすすめですね。先月入ったばかりの新作で、残り1品なんですよ」


店員さんの指差す方向を見ると、クロスのシンプルなネックレスがあった。

そして後ろには小さくイニシャルで“fortune”と彫ってある。

「・・・fortune・・・」

「fortuneとは幸せという意味ですよ」

幸せか・・・。


「コレおいくらですか??」

「コチラは少々お高いんですが、今全品20%引きになっていますので・・・」

「3000円か・・・」


よし!シュンのために奮発して買っちゃえ!

私はネックレスを買うとショッピングモールを後にした。


「ただいま~」

「お帰り遅かったね」

リビングからひょっこりと千沙が出てくる。