二人の王子さま

「ありがとう・・・」


「どうした?みたらし団子は嫌いだったか?」


慌てたようにそう言う遊馬さん。
あたしは首を横に振る。


「あたし、お金もないのに当然のようにお世話になっちゃってる・・・」

「なんだ?そんなこと気にすることはない」

遊馬さんはお団子を一つ口に入れた。


「・・・何かお仕事ありませんか?いつ帰れるかもわからないのに、このままただ遊馬さんにお世話になるのって・・・」


俯いてそう言うと、頭をポンポンと叩かれた。


「そんなの気にすることはない」

「でも」

「・・・そうだな、俺の傍に居るのが仕事だ」


「それは仕事じゃ・・・」

「俺から離れるな。それが仕事だ。いいな?」


遊馬さんは優しく微笑んで、あたしの頭をくしゃっと撫でる。

とくんと胸が高鳴る。


遊馬さん、優しい人。