「帆香を一人にしておくことなどないのでご安心を。父上」 そう遊馬さんが言うと、二人のやり取りを見てあたふたとするあたしに向かって、お父さんは少しだけしょげてみせた。 「では、そろそろ失礼致します。行くぞ、帆香」 そう言うとあたしを立たせてお父さんにお辞儀をした。 「帆香、遊馬に飽きたらいつでも来るといい」 お父さんはハハハと笑いながら見送ってくれた。