「入れ」 低い声が襖の向こうから聞こえた。 遊馬さんのお父さん・・・ ドキドキしているあたしの肩をポンポンと叩き、遊馬さんは襖を開けた。 「只今戻りました」 遊馬さんに背中を押され、一歩前に出る。 襖を閉めて遊馬さんはあぐらをかいた。 目で合図され、あたしも遊馬さんの横に正座する。 うわぁ・・・・ 時代劇で見るようなお殿様?みたいな格好だ。 遊馬さんのお父さんは書類みたいなものに目を向けたまま、こちらに向こうとはしなかった。 「父上。今日は紹介したい者がいるのです」