「それを着たら声をかけてくださいね。少し出掛けましょう。
いつまでも城の中に居たのではつまらないでしょう?
それに、もっとこちらの国を知っていただきたいので」
あたしに服を持たせて、にっこりと微笑んで部屋を出ていくアキラさん。
メイド服で出かけるとか・・・
思わず溜め息をついてしまった。
・・・遊馬さん、今頃何してるのかな・・・?
・・・心配・・・してくれてはないよね?
元の世界に帰ったって、思ってるよね。
きっと。
遊馬さんと居たのはほんの少しの間だけ。
せめてお礼くらいは言いたかったな・・・
命の恩人なんだから・・・

