「アンタが不幸になるよう、いろんな術をかけた! なのに何一つ成功していない。今までこんなこと、なかったのに!」

真っ白い顔色で、黒い眼をむくとヒッドイ顔になるなぁ。

しかし今の言葉を聞くと、やっぱり彼女、自分を否定する者には呪いをかけていたのか。

「はぁ…。最近、何かうっとおしいのが来ていることは気付いていたけどね。バカ正直に受けてあげる義理もないし、返り討ちにしてたまでよ」

「返り討ち…? アンタもあたしと同じ、『魔女』なの?」

「人を呪うという意味なら、否定するわ。それにわたし、泥棒じゃないし」

「なっ!」

彼女の目が見開かれる。

あっ、顔色が白から青へと変わった。

―やっぱりそうだったか。

わたしは深く息を吐き、彼女と正面から向き合った。

「探し物を占いで見つけるって言うの、アレは詐欺でしょう? だってあなたが盗んで、それをさも占いで見つけたように言うんだもの」

「どっどこにその証拠があるのよ!」

「ないわ。でもそんなことを続けていれば、いずれは誰かに見つかって自滅するわよ」