友達と話して、校舎を出た。 「あーあ。あたしたち、もうこの学校の生徒じゃないんだね」 校舎を見ながら言う玲香。 「そうだね」 そう思うと、卒業するのが少し悲しくなる。 「行こっか」 「うん」 再び校門に向かって歩き出す。 「あれ、高杉さんじゃない?」 「え?」 校門には、正也が立っていた。 執事は、昨日で終わりのはず。 だから、今日の朝は玲香と一緒に電車で来た。