その笑った顔を見て、私は思った……。



「やっぱり、悪魔だ……」



不器用で、優しくて……時々、意地悪な悪魔。



私の大好きな人。

きっと、人生で最初で最後の恋。



この悪魔になら、身を捧げてもいいかな……なんて思ったり。



「今ならまだ逃げられるぞ」



"悪魔"のノリに乗ってくれた暁が、冗談っぽくそう言ってきた。



「逃げていいの……?」



きっと、私がまた焦ると思って言ったに違いない。

けど、そうはいかない。



予想外の答えだったのか、「そんな返しもできるようになったのか」と、まるでパパのようなことを言ってきた暁。