まさか、暁も私のことを好きだなんて……そんなありえないことが現実になってしまった今、片思いも切ない気持ちもいい思い出。



まだるいさんのことがあるから付き合えると決まったわけではないけれど、暁がこうして気持ちをさらけ出してくれたんだから、私も誠意を持って気持ちに応えたいって思う。



「そういえば、暁は……いつ頃私のことを好きになったの……?」



自分が真っ赤になってた恥ずかしい話を早く忘れたくて、話題を強制転換した。



だけど本当に聞きたい!

暁がいつ私のことを好きになって、私のどこが好きなのか……!



しかし、私の願いは一瞬で消え去った。



「心優が……」と暁が何かを言いかけたところで、暁のズボンのポケットに入っているスマホの着信音が鳴ったせいで、その話の続きを聞くことはできなかった。



スマホを耳に当て、『じゃあ、バニラでお願いします』と誰かと会話をする暁。



コンビニにいるまー兄からアイスはなにを買ってくるかの確認電話か……?



電話を切った暁は「雅己さん、もうすぐ帰ってくるって」と言い、ゆっくりと立ち上がった。