今すぐに「大好き!」って大声で叫んで目の前にいる暁のことを抱きしめたいくらい嬉しい。



「本当は、今すぐに暁と付き合いたいよ。もっと喜びたい。でも、るいさんのことがあるから……」

「……だよな。困らせてんのは俺か」

「別に困ってるわけじゃないよっ。暁が、私のことを好きだって奇跡が起きただけで最高に幸せだもん!」



暁への気持ちが溢れ前のめりになる私に、暁は悪魔になる瞬間があるとは思えないほどの笑顔を見せてくれた。



「……暁は、私が暁のことを好きだって気づいてた?」

「あぁ。近づくと顔真っ赤にしてたからな」

「えっ?!そうだったの?!」



私って恋するとそんなに分かりやすい人間だったんだ……。



バレないように必死に隠してたつもりだったのに。



頑張って気持ちを抑えていたあの日々はいったいなんだったんだろう……とは思うけど、あの片思いしていたときはそのときですごく幸せだった。



初めて男の人の目を見ることができて、話して近づいて触れて……好きだって気づいて、そして諦めようと辛い思いもした。