「ただいま」


「おかえり」


そういう声がして

私の頬に涙が流れた


だけど声を出して泣いたら

奴らに負けた気がして

声を出さないように

布団の中で

静かに泣いていた


ーガラッ

そう音がして

泣いていた涙がスッと止まった


だけど

誰にも知られたくなくて

布団に包まった


「幸子…?泣いてる…?」


優しい声で何故だか

姉と言う存在があることに

初めて感謝した