そして


ピーポーピーポー…

救急車が来た


私はただ玄関で

救急隊員の人たちと

運ばれるお母さん


達を見つめるだけで

何も出来なかった


「幸子…留守番頼める?」


祖母は母を気にしながら

言った


「うん…任せて。おじさんもいるし」


私はどんな表情をしているのか

分からないが

ちょっと驚いた顔をして


「頼んだよ…」


祖母の顔はやっぱり

娘を心配する母親だった