「なによっ!?これっ?」
「……」

絶句…。
絶句としか言えない。
この場の説明をするなら絶句だけで説明出来る。
俺は出来ないけど。

予想以上にテレビ壊れてる!
「っと…ちょっと!?そこのクソガキ!説明しなさい!」
「…!」
リリアンヌ…。
リリア可愛い…。
テレビの故障でリリアが3D見えるなんて万々歳だけど。
「クソガキはねぇだろっ!俺、今年で高校生だぞ!?」
「そう言う所がガキだっつってんの!」
リリアが頭突きをしてきた。
「……」
あれ?3Dじゃない…。
触れてる。
「リリアって…」
「私は幽霊でも3D映像でもない。私はちゃんとここに立っている。クソバカ」
リリアめんどくせぇよ。
説明が。
「簡単に言うわよ?」
「……」
「私はアニメーターさんに動かされてない。今、動いてるのは自分の意思」
だから、アニメより性格…。
俺が考えてたリリアはもっと…何ていうか…。

「そうだ!おしとやかさが足りなっ…ぶはっ」
リリアが鋭い回し蹴りを俺に喰らわせた。
一瞬お花畑が見えた。
天使も見えた。
いやいや、負けるな俺!
「そーゆーところがおしとやかさに欠けるっ…」
「黙れ雑魚」
一言でノックアウト。
「……」
それにしてもリリアが…。
現実は甘くないって初めて実感したかもしれねぇ。
「聞きたいんだけど!」
「?」
何をいきなり?
わがままの様な仕草のリリアの姿は実に絵になる。
なんつったって元アニメの主人公なのだから。
「オイ!元ってなんだ?」
「エ…エスパー?」
「私は、バリバリ現在進行形で主人公だ!バカ!アホ!」
最後のバカとアホは実に子供らしっ…!
「私は子供じゃない!」
ガキじゃっ…!
「ごふっ」
顔面グーで殴る。
「エスパー?なのか?」
「なんとなくで分かるって事、あるでしょ?」
「もし間違って殴ったりしないのかよ…?」
「私は正しい事をしているだけだ」
「……」
可愛さ2分の1カット。
ガキ増量中。
「ってか…聞きたいことあったんじゃねーのかよ?」
「あ。そうだったわね。聞くわよ?」
何故か緊張感という雰囲気が出来る。
あくまでも雰囲気だ。
「ふぅ…すー」
リリアがゆっくり深呼吸をする。
よほどの事なのだろう。
そして次の言葉を発した。